11月21日(日)から23日(火)、足寄のハンター儀間さんと蝦夷鹿猟に同行してまいりました。
 お店では綺麗に処理された食材と接している私たちですが、実際の現場に立ち会うのは初めての経験。
 年間40頭前後とのことなので、私たちの滞在中に必ずしも猟が成功するとは限りません。
 しかも猟は早朝と夕方それぞれ限られたタイトな時間。

 出会えるだろうか、成功するだろうか。緊張と不安と、期待。

 1日目夕方、蝦夷鹿を発見するも、距離が遠く、断念。2日目早朝、またも距離が遠く。

 2日目夕方、この猟が今回の同行で最後とのこと。しかし、大雨で鹿に出会うことができず。
 2日目の夕食後、儀間さんご夫妻とお酒を酌み交わしつつ、猟に同行しただけでもとても良い経験になったと伝えたところ、「明日、早朝6時半から7時までの30分間だけ、行きましょう!」と嬉しい提案。

 3日目早朝。日の出前でもその日は快晴になるであろうことが分かる空。昨日の雨できっと鹿たちはお腹をすかせているはず。
 道路から遠くにメスたちの群れがピョンピョンと元気に飛び跳ねる姿が見える。
 「今日は出会えるかも知れない」期待がふくらみます。

 一般道から山道へ。猟の出来る区間に入ると、儀間さんの目に力が入り、神経を張り巡らせているのがわかります。私たちも儀間さんの目となって、視線を左右に走らせます。
 しかし、山中に入ったとたん、鹿の気配がパタリと止む。10分、15分。刻々と過ぎていく時間。「あと10分です」儀間さんが告げます。

 最後の7分を切ったころ、もうダメかと諦めかけたその矢先。
 右側は険しい山、左側は4〜5メートル程の斜面の下に湿地が広がるその場所で。
 立派な3段角の雄鹿が。音もなく儀間さんがスルリと銃をかまえる。あっという間の出来事。
 その時の気持ちは、今までにない感情。命をいただくとは、こういうことなのか。そのお話は、また常春で。

 もちろんその蝦夷鹿は、常春で仕入れさせていただく予定です。改めまして、クラウドファンディングでのご支援、感謝申し上げます。とてもとても、良い経験となりました。
 この蝦夷鹿が実際にご提供できるのは12月に入ってからでしょうか。皆さまにお会いできるのを心よりお待ち申し上げております。

今回お世話に足りました儀間さんの民宿はこちら「ぎまんち」